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豆知識2026/10/14

犬と猫、どっちが賢い?脳科学が出した答えと『ニューロン数』の意外な真実

『犬と猫、どっちが賢いの?』は飼い主なら一度は気になるテーマ。脳のニューロン数を数えた研究では犬が約2倍という結果が出ていますが、それは“頭の良さ”の全部ではありません。記憶力・問題解決・社会性の違いまで、最新の脳科学をもとにやさしく解説します。

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犬と猫、どっちが賢い?脳科学が出した答えと『ニューロン数』の意外な真実

「うちの子、ほんとに賢いなあ」——愛犬や愛猫と暮らしていると、ふとそう感じる瞬間がありますよね。そして犬派・猫派が集まると、必ずといっていいほど出てくるのが「結局、犬と猫ってどっちが賢いの?」という話題です。

実はこの問いには、近年の脳科学がひとつの“数字”で答えを出しています。脳の神経細胞(ニューロン)を実際に数えた研究では、犬は猫の約2倍のニューロンを大脳皮質に持っていました。数の上では「犬に軍配」です。

でも——ここで話を終わらせてしまうのは、ちょっともったいない。ニューロンの数は「賢さ」のほんの一面にすぎないからです。記憶の仕方、問題の解き方、人との関わり方。犬と猫では「賢さの種類」そのものが違います。

この記事では、

  • 脳科学が明かした「ニューロン数」の意外な結果
  • 犬と猫で違う「記憶力」のタイプ
  • 「従順な賢さ」と「自立した賢さ」という考え方
  • 愛犬・愛猫の“知的な一面”を引き出す暮らしのヒント

を、研究の裏づけとともにやさしくお話ししていきます。読み終わるころには、「どっちが賢い?」という問い自体が、少し違って見えているかもしれません。

結論:ニューロン数では犬、でも「賢さの中身」は別物

先に結論からお伝えします。

  • 脳の大脳皮質ニューロン数 → 犬が約2倍で「勝ち」
  • 記憶力・問題解決・社会性 → 犬と猫で「得意分野」が違い、優劣はつけにくい

つまり「どちらが賢いか」はモノサシ次第。数だけ見れば犬ですが、「賢さ」を一本の物差しで比べること自体に無理がある、というのが今の科学のスタンスに近いのです。

では、その根拠となった研究から見ていきましょう。

脳のニューロンを“数えた”研究が出した答え

この議論を大きく動かしたのが、脳科学者スザーナ・エルクラーノ=アウゼル(Suzana Herculano-Houzel)氏らの研究です。2017年に学術誌『Frontiers in Neuroanatomy』で発表され、CNNや日経サイエンスなど各国メディアでも取り上げられました。

研究チームは、犬・猫をはじめフェレット、マングース、アライグマ、ハイエナ、ライオン、ヒグマなど8種の肉食動物の脳を分析。脳を溶かして液状にし、神経細胞の核を一つひとつ数える、という独自の手法で「大脳皮質にいくつニューロンがあるか」を調べました。大脳皮質は、思考・判断・情報処理など“高度な知的活動”を担う部分です。

結果はこうでした。

動物 大脳皮質のニューロン数(概数)
ヒト 約160億個
犬 約4億3,000万個
猫 約2億5,000万個

犬は猫の約2倍。「ニューロンが多い=複雑な情報処理ができる可能性が高い」と考えられるため、少なくともこの指標では「犬が賢い」といえる、というのが研究チームの見解でした。

「脳が大きい=賢い」ではなかった

この研究のもうひとつの驚きは、脳の大きさとニューロン数が必ずしも比例しなかったこと。たとえばヒグマは脳こそ大きいものの、ニューロン数は小型の猫と大差ないレベルでした。「体や脳が大きいほど頭がいい」という素朴なイメージは、必ずしも当てはまらないのです。

さらに興味深いのは、猫の名誉のための補足です。猫の脳は犬の約3分の1の大きさしかないのに、ニューロン数は半分もあります。これは猫の脳がニューロンをぎゅっと高密度に詰め込んでいることを意味します。「小さいけれど中身は濃い」——なんとも猫らしい設計ですよね。

▶ 関連記事:犬と猫に見えている『色の世界』は人間と全然違う|科学が解き明かす二色型色覚とおもちゃ選びのコツ

記憶力で見ると?犬は「長期戦」、猫は「瞬発力」

「賢さ」を語るうえで欠かせないのが記憶力です。ここでも犬と猫は、得意なタイプが分かれると考えられています。

犬は長期記憶が得意

犬は長期記憶に優れているといわれます。数年ぶりに会った飼い主や、昔よく遊んだ場所をちゃんと覚えている——そんなエピソードは、多くの飼い主さんが経験しているのではないでしょうか。嬉しかったこと・怖かったことなど、感情と結びついた記憶をとくに長く保つ傾向があります。

猫は短期記憶と“感情記憶”

一方の猫は、短い時間の記憶(短期記憶)に強いとされます。目の前で隠されたおやつの場所を覚えていたり、直前に起きたことへの反応が素早かったり。そして犬と同じく、強い感情をともなった出来事(痛かった通院、嬉しかった給餌など)は長く記憶に残るといわれています。「一度嫌な思いをした場所に二度と近づかない」猫の慎重さは、この感情記憶の表れかもしれません。

どちらが上、という話ではなく、犬は「積み重ねて覚える」、猫は「要点を鋭く覚える」——そんなイメージで捉えると、日々の行動のナゾがちょっと解けてきます。

▶ 関連記事:犬はどうやって飼い主を見分けているの?嗅覚・声・顔…京大の研究でわかった「3つの感覚」の組み合わせ

「従順な賢さ」と「自立した賢さ」

ニューロン数や記憶力と並んで大切なのが、**賢さの“方向性”**です。研究者の間では、犬は「従順な賢さ」、猫は「自立した賢さ」を持つ、という整理がよくされます。

  • 犬=社会的な賢さ:犬の脳は、仲間や人とのコミュニケーションに関わる領域が発達しているとされます。人の表情や声のトーンを読み、指示に応え、一緒に課題を解くのが得意。これは群れで協力して生きてきた歴史の名残と考えられています。
  • 猫=空間と運動の賢さ:猫は空間把握や身体コントロールに関わる領域が発達しているといわれます。単独で狩りをして生きてきたため、「自分の力で状況を解決する」方向に知性を伸ばしてきた、というわけです。

よく「犬は呼べば来るけど、猫は来ない。だから犬のほうが賢い」と言われます。でもこれは賢さの差というより価値観の差。犬にとって「人に応えること」はメリットが大きい一方、猫にとっては「自分のペースを守ること」のほうが理にかなっている。猫が指示に従わないのは、むしろ「従う必要があるか自分で判断している」とも読めるのです。

犬がなぜここまで人の言葉に敏感なのかは、こちらの記事でも詳しく触れています。

▶ 関連記事:犬は飼い主の会話を『盗み聞き』して言葉を覚える|2026年サイエンス誌の最新研究が明かした天才犬(GWL)の秘密

ニューロンや記憶だけじゃない——いろいろな「賢さのモノサシ」

研究者たちは、ニューロン数や記憶力のほかにも、さまざまな角度から動物の知性を測ろうとしてきました。いくつか代表的な“モノサシ”を紹介すると、犬と猫の個性がさらに見えてきます。

人の合図を読む力(社会的参照)

「飼い主が見ている方向を見る」「困ったとき人の顔をうかがう」——こうした“人を手がかりにする力”は、犬がとくに得意とされています。知らない物や状況に出会ったとき、飼い主の表情を確認してから行動を決める犬は多く、これは社会的参照と呼ばれる高度な認知のひとつ。猫にもこの傾向はありますが、犬ほど強くは人に依存しない、という報告が一般的です。

物の“永続性”を理解する力

目の前で隠されたおもちゃが「見えなくなっても存在し続けている」と理解できるか——これは乳幼児の発達研究でも使われる課題で、対象の永続性と呼ばれます。犬も猫も、ある程度この理解を持っていることが確かめられており、だからこそ隠したおやつを探し出せるわけです。狩りで獲物が物陰に隠れても追える猫にとっては、まさに生きるための能力ともいえます。

時間や数の感覚

犬は「いつもの散歩の時間」や「飼い主の帰宅時間」をなんとなく把握しているように見えますが、これは体内時計やにおいの変化を手がかりにしていると考えられています。猫も毎日の給餌時間に合わせて行動することがあり、どちらも生活のリズムを学習する力を持っています。

こうして見ると、「賢さ」はひとつの数字では到底とらえきれない、奥行きのあるものだとわかります。犬が得意な課題、猫が得意な課題がそれぞれあり、優劣というより“役割分担”に近いのです。

「賢さ」は一頭ごとに違う——比べすぎないこと

ここまで一般論をお話ししてきましたが、最後に大切なことを。知能には個体差があり、犬種・猫種、育った環境、年齢によっても大きく変わります。 「犬のほうがニューロンが多いから、うちの猫はおバカさん」なんてことは、まったくありません。

むしろ、賢さは「引き出せるかどうか」が大きい。退屈な環境では持ち前の知性を発揮しづらく、適度な刺激がある暮らしでは、犬も猫もぐんと“冴えて”見えてきます。愛犬・愛猫の知的な一面を楽しむための、ちょっとした工夫を紹介します。

知育トイ・パズルフィーダーで「考える時間」を

おやつやフードを隠して探させる知育トイ(犬 猫 知育トイ)やパズルフィーダーは、犬にも猫にもおすすめ。頭を使って報酬を得る体験は、退屈の解消にもつながります。早食い防止にもなり一石二鳥です。

「嗅ぐ」「探す」遊びを取り入れる

とくに犬は、鼻を使う遊びで満足感を得やすいといわれます。ノーズワークマットに少量のフードを隠すだけでも、立派な“脳トレ”に。猫ならけりぐるみや動くおもちゃ(猫 おもちゃ 自動)で、狩りの本能を刺激する遊びを。

新しい芸・ルールに少しずつ挑戦

犬の「おすわり」「ふせ」の先にある新しいコマンドや、猫のクリッカートレーニングなど、年齢に合わせた“ちょい難しい課題”は、脳への良い刺激になります。うまくできたときのごほうびおやつ(犬 猫 無添加 おやつ)を用意しておくと、学習がスムーズです。焦らず、できたらしっかり褒める——これが何よりの近道です。

まとめ:どっちが賢い?の答えは「賢さが違う」

最後に要点を整理します。

  • 脳の大脳皮質ニューロン数は犬が猫の約2倍(犬 約4.3億/猫 約2.5億)。数の指標では犬が優勢。
  • ただし猫の脳はニューロン密度が高く、「小さいのに中身が濃い」。
  • 記憶力は犬=長期記憶が得意/猫=短期+感情記憶が鋭いとタイプが異なる。
  • 賢さの方向性も犬=社会的・協力型/猫=空間・自立型で別物。
  • 知能には個体差・環境差が大きく、暮らしの工夫で引き出せる。

「どっちが賢い?」という問いは、本当は「どんなふうに賢い?」と言い換えたほうがしっくりきます。人に寄り添う犬の賢さも、自分の世界を持つ猫の賢さも、どちらも進化が磨いてきた見事な知性。比べて優劣をつけるより、その子ならではの“賢さ”を見つけて楽しむほうが、きっと暮らしは豊かになります。

今日もあなたの隣にいる賢い相棒を、たっぷり褒めてあげてくださいね。

※この記事は一般的な情報提供を目的としたものです。気になる行動の変化や体調面の不安があるときは、自己判断せず、かかりつけの獣医師に相談してください。


出典

  • Jardim-Messeder D. et al. (2017)「Dogs Have the Most Neurons, Though Not the Largest Brain」『Frontiers in Neuroanatomy』(Herculano-Houzel 研究チーム)
  • CNN.co.jp「『犬は猫よりも賢い』、国際研究で結論 神経細胞数を計測」
  • 日経サイエンス「犬と猫 アタマの勝負」
  • Discovery Channel Japan「犬と猫ではどちらが賢い?脳科学者がニューロンの数を数えた結果…」
  • PBS NewsHour「Which are smarter, cats or dogs? We asked a scientist」

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