犬・猫の乾燥肌・フケが秋冬に増える理由と保湿ケア7ステップ|暖房シーズンの皮膚トラブルを防ぐ
「ブラッシングすると白いフケが舞う」「最近やたら体をかいている」——秋から冬にかけて増えるのが、犬・猫の乾燥肌とフケの悩みです。空気の乾燥と暖房で皮膚のバリアが弱る仕組み、家庭でできる保湿・湿度管理・食事の整え方、そして『ただの乾燥ではないかも』という受診サインまで、獣医師が発信する情報をもとに7ステップでまとめました。

「ブラッシングをすると、黒い毛の上に白い粉のようなフケがパラパラ落ちる」「そういえば最近、体を後ろ足でかいたり、床に背中をこすりつけたりすることが増えた気がする」——秋が深まって空気が乾いてくると、犬や猫と暮らす家庭で急に増えてくるのが、この「乾燥肌」と「フケ」の悩みです。
夏のあいだは湿気で気にならなかったのに、9月の終わりから10月、そして暖房を入れ始める頃になって一気に目立ってくる。これは決して珍しいことではなく、季節と住環境の変化が皮膚に素直に表れているサインでもあります。この記事では、犬・猫の皮膚が秋冬に乾燥しやすくなる仕組みと主な原因、家庭でできる保湿・湿度管理・ブラッシング・食事の整え方を7つのステップで、そして「これはただの乾燥ではないかもしれない」という受診の目安まで、獣医師が発信している情報をもとに整理しました。なお、フケやかゆみの原因を飼い主さんだけで見分けるのは難しいことも多いため、気になる症状があるときは必ずかかりつけの獣医師に相談してください。
まずは結論——「フケの量・かゆがり方・元気食欲」で落ち着いて見る
詳しい解説の前に、判断の軸になるポイントを先にお伝えします。
- 少しのフケ+かゆがらない+元気食欲は普通なら、まずは家庭での保湿と湿度ケアで様子を見てよいことが多い
- フケが急に増えた・しつこくかく・特定の場所だけ毛が薄い・赤みやかさぶたがあるときは、乾燥以外の皮膚トラブルが隠れている可能性がある
- フケに加えて元気や食欲が落ちている・体重が変わったような全身のサインがあるときは、早めに動物病院へ
つまり、「乾燥によくあるフケ」と「乾燥だけでは説明しにくいフケ」を落ち着いて見分けることが大切です。以下で、その見極めと家庭ケアを順番に見ていきます。
なぜ秋冬に犬・猫の乾燥肌・フケが増えるのか
1. そもそも犬・猫の皮膚は人よりデリケート
犬や猫の皮膚は、人間の皮膚よりもかなり薄く、水分を保つ力もそれほど強くないと言われています。もともと乾燥の影響を受けやすい構造をしているため、空気が乾く季節には、人が思う以上に皮膚のコンディションが揺らぎやすいのです。皮膚の表面には外からの刺激や水分の蒸発を防ぐ「バリア機能」がありますが、乾燥が続くとこのバリアが弱り、フケ・かゆみ・かさつきといったトラブルにつながりやすくなります。
2. 秋から冬は「外気の乾燥」と「暖房」のダブルパンチ
秋が深まると外の空気そのものが乾いてきます。さらに、室内で暖房を使い始めると、部屋の湿度は一気に下がります。エアコンやファンヒーターの温風が直接あたる場所で寝ている子は、その部分だけ特に乾燥が進むこともあります。夏に冷房で弱った皮膚が、そのまま乾燥シーズンに突入する——この流れが、秋冬にフケの相談が増える大きな理由です。
3. 換毛期・シャンプーのしすぎも重なりやすい
秋は夏毛から冬毛へ生え替わる換毛期にあたる子も多く、抜け毛と一緒に古い角質(フケ)が目立ちやすい時期です。加えて、抜け毛やニオイが気になってシャンプーの回数を増やすと、かえって皮脂を落としすぎてバリア機能を弱め、乾燥を悪化させてしまうこともあります。良かれと思ったケアが逆効果になることもある、というのは覚えておきたいポイントです。換毛期そのものの抜け毛ケアについては、▶ 関連記事: 犬・猫の春の換毛期を乗り切る完全ガイド|抜け毛を減らす毎日のケア5ステップと注意したい皮膚サイン もあわせて参考にしてください(春の記事ですが、換毛期のケアの考え方は秋にも通じます)。
4. かゆみの悪循環
乾燥でムズムズすると、犬も猫もかいたり舐めたりします。ところが、かくこと・舐めることが刺激になって、さらにバリアが壊れ、もっとかゆくなる……という悪循環に入りやすいのが皮膚トラブルの厄介なところです。特に猫が同じ場所を舐め続けて毛が薄くなるようなときは、乾燥だけでなくストレスやアレルギーが関係していることもあります。▶ 関連記事: 猫が同じ場所を舐めすぎてハゲる『過剰グルーミング』の原因と対策7ステップ|心因性脱毛とアレルギーの見分け方 で、舐めすぎのサインを詳しく解説しています。
家庭でできる乾燥肌・フケ対策7ステップ
ここからは、今日から始められる具体的なケアを7つのステップで紹介します。どれも「皮膚のバリアを守り、乾燥を進めない」ことが共通のねらいです。
ステップ1:部屋の湿度を50〜60%に保つ
もっとも土台になるのが室内の湿度管理です。暖房を使う季節は、加湿器を併用して湿度を50〜60%程度にキープすることが、皮膚の乾燥を防ぐうえで役立つとされています。湿度計を置いて数字で確認すると管理しやすくなります。ペットがよく過ごす床に近い高さは、暖かい空気がたまる高い位置より乾きやすいこともあるので、生活スペースの湿度を意識してみてください。
ステップ2:暖房の風が直接あたらないようにする
エアコンやヒーターの温風がベッドや定位置に直撃していると、その部分の皮膚だけ乾きやすくなります。寝床の位置を風の通り道から少しずらす、風向きを上に向けるといった小さな工夫だけでも、乾燥のあたり方は変わります。
ステップ3:シャンプーは「頻度」と「保湿」を見直す
乾燥期はシャンプーのしすぎが逆効果になりがちです。回数を増やしすぎず、使うなら低刺激で保湿成分の入ったペット用シャンプーを選び、しっかりすすいで、乾かすときは高温の風を長時間あて続けないようにします。人間用のシャンプーは犬猫の皮膚に合わないことがあるため、必ずペット用を使いましょう。シャンプーの可否や頻度は皮膚の状態によって変わるので、トラブルがあるときは自己判断せず獣医師に相談してください。
ステップ4:保湿スプレー・保湿ローションでうるおいを補う
フケや乾燥が気になる部分には、ペット用の保湿スプレーやローションでうるおいを補うのも手です。温かいタオルでやさしく体を拭いてから保湿剤をなじませると、汚れを落としつつ乾燥を防げます。舐めても比較的安心なように作られたペット向けの製品を選ぶと使いやすいでしょう。
ステップ5:やさしいブラッシングで血行と皮脂をなじませる
適度なブラッシングは、抜け毛や古いフケを取り除き、皮膚の血行を促し、皮脂を毛全体になじませるのに役立ちます。ただし乾燥期に硬いブラシで強くとかすと、皮膚を傷つけてかゆみを悪化させることもあるため、力を入れすぎないのがコツです。皮膚にやさしい素材のブラシを選び、短時間でこまめに行いましょう。
ステップ6:食事で「皮膚・被毛の材料」を整える
皮膚と被毛は毎日の食事から作られます。バランスの良い食事は皮膚コンディションを保つうえでとても大切で、特にオメガ3脂肪酸やビタミンEなど、皮膚のうるおいや健やかさに関わる栄養素をしっかり含んだフードを選ぶことは、乾燥しやすい季節のケアに役立つ可能性があるとされています。
新しいフードや魚由来のオイルなどを取り入れたい場合は、良質なたんぱく質やオメガ3を意識して配合したフードから見直してみるのもひとつの方法です。犬ならモグワン ドッグフード、猫ならモグニャン キャットフードのように、動物性たんぱく質を主体にオメガ3・ビタミンEなどを含むフードは、皮膚・被毛を意識したい飼い主さんの選択肢になります。ただしフードの切り替えは急に行うとお腹を崩すことがあるので、1〜2週間かけて少しずつ移行してください。サプリメントを検討する場合も、量や相性は個体差があるため、心配なときは獣医師に相談すると安心です。
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ステップ7:水をしっかり飲める環境を作る
体の内側の水分不足も、皮膚のコンディションに影響します。特に猫はもともとあまり水を飲まない子が多いので、水飲み場を複数用意する、新鮮な水にこまめに替える、ウェットフードを一部取り入れるといった工夫で、自然に水分がとれるようにしてあげましょう。
「ただの乾燥」ではないかもしれないサイン
家庭でのケアで落ち着いてくれば安心ですが、次のようなサインがあるときは、乾燥以外の皮膚病やアレルギー、内側の不調が関わっている可能性があります。乾燥ケアだけで様子を見続けず、早めに動物病院へ相談してください。
- フケが急に大量に増えた、脂っぽいフケがベタつく
- しつこくかく・舐める・噛む、夜も眠れないほどかゆがる
- 特定の場所だけ毛が薄い・脱毛している、赤み・かさぶた・湿疹がある
- 皮膚が黒ずむ、ニオイが強くなる
- フケや皮膚トラブルに加えて、元気・食欲が落ちている、体重や飲水量が変わった
こうした症状は、季節性の乾燥とよく似て見えても、専門的なケアが必要なことがあります。特に皮膚は「見た目が似ていても原因はさまざま」という代表格なので、自己判断で市販薬などを使う前に、まずは獣医師に診てもらうのが安全です。梅雨〜夏にかけての湿気による皮膚・耳トラブルとはまた違う季節のケアになりますが、皮膚を年間通して守る考え方は共通しています。あわせて▶ 関連記事: 【2026年版】梅雨に犬・猫の皮膚と耳トラブルが急増する理由|湿度60%以下を守る7つの梅雨ケア もチェックしておくと、一年を通した皮膚ケアのイメージがつかめます。
まとめ——乾燥シーズンは「守りのケア」を前倒しで
秋冬に犬・猫のフケや乾燥肌が増えるのは、外気の乾燥と暖房、換毛期、シャンプーのしすぎなどが重なりやすいからです。ポイントは、トラブルが大きくなる前に「守りのケア」を前倒しで始めること。湿度を50〜60%に保ち、暖房の風を避け、シャンプーと保湿・ブラッシングを見直し、皮膚・被毛の材料になる食事と水分を整える——この土台づくりが、乾燥に負けない皮膚を支えます。
そのうえで、「フケが急に増えた」「しつこくかゆがる」「元気や食欲まで落ちている」ようなときは、乾燥だけの問題ではないこともあります。季節の変わり目は体調全体も揺らぎやすい時期なので、皮膚以外のサインにも気を配りたいところです。季節の変わり目の食欲不振や不調が気になる方は、▶ 関連記事: 犬・猫の『秋バテ』完全ガイド|季節の変わり目の食欲不振・下痢を防ぐ寒暖差ケア7ステップ もあわせてご覧ください。気になる症状があるときは、早めにかかりつけの獣医師に相談して、愛犬・愛猫と一緒に乾燥シーズンを心地よく乗り切りましょう。
出典・参考
- ビルバックジャパン「乾燥する季節に要注意!犬猫の皮膚バリアを守る保湿ケア」 https://virbac-services.jp/pet-qa/dogs-cats-skin-problems
- ビルバックジャパン「犬は乾燥肌になりやすいの?乾燥肌になりやすい部位や対策方法などを紹介」 https://virbac-services.jp/pet-qa/dog-dry-skin
- みかん動物病院「犬の皮膚乾燥対策|フケや痒みの原因と効果的なケア方法」 https://www.animal-hospital.co.jp/2025/12/26/4592/
- つだ動物病院「保湿で愛犬・愛猫を乾燥から守りましょう」 https://tsuda-vet.com/
- 光が丘動物病院グループ「犬と猫の乾燥対策について|皮膚のバリア機能が低下して皮膚トラブルに発展」 https://www.hikarigaoka.net/dryness-measures-dog-cat
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。


